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短詩文芸である冠句の紹介


by kanku_yasutomi

安富冠句会 平成20年6月上座抄(太田春風 雅伯選)

太田春風 雅伯選


天    泣くものか 浮世の風が沁みる夜  (和憲)
(標目  懐いは馳せる亡夫在りし日を)
 追吟  沁みる夜心鎮めて合掌す
地    飛びついて 落ちた蛙は齢知る  (佳月)
(標目  再度チャレンジ若さの秘訣)

人    衣更え 山の雪解け雷鳥も  (芳英)
(標目  自然に馴染む色に身を染め)

二    恋いかしら 言わず語らず目が動く  (善三郎)
三    カーネーション 白い花びら母恋いし  (恒男)
四    さりげなくついて来いよの決め台詞  (哲男)
五    飛びついて 泣く子も眠る母の愛  (治子)
六    予想外 雅友の難病案じつつ  (佳月)
七    糠に釘 老いの読書はすぐ抜ける  (千翔)
八    糠に釘 拉致を認めぬ北の国  (芳英)
九    もう一歩 流す涙で夏誓う  (耕作)
十    大気の芽次の五輪へ流す汗 (佳月)
by kanku_yasutomi | 2008-06-26 04:00 |  安冨冠句会例会