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短詩文芸である冠句の紹介


by kanku_yasutomi

安富冠句会 平成19年10月上座抄(広岡佳月 宗匠選)

広岡佳月 宗匠選

天    切り替えて 一歩ゆずれば気は和む  (耕作)
(標目  そこに集る生涯の友)
 追吟  気は和むその日その日に芽吹く幸

地    蚊の涙 わけ合う幸のあたたかさ  (治子)
(標目  喉を潤す愛の一滴)

人    切り替えて 再就職の靴選ぶ  (泉水)
(標目  時の流れに歩調を合わせて)

二    赤とんぼ 追えば昔の日が沈む  (純一)
三    十三夜 そっと羽織らす秋ショール  (和憲)
四    破裂して 堪忍袋取り替える  (善三郎)
五    絵空事 疑惑を詰めた段ボール  (高男)
六    切り替えて 強く生きなきゃ三回忌  (和憲)
七    鯖を詠む 隠し切れない老いの影  (公三)
八    他所の花 届かぬものはなお赤い  (公三)
九    親に似るとは老いゆくことか 寿命は延びる身は縮む  (純一)
十    たらい回しで消された命 産院足りぬ少子国  (和憲)
by kanku_yasutomi | 2007-10-25 01:00 |  安冨冠句会例会