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短詩文芸である冠句の紹介


by kanku_yasutomi
村上千翔 雅伯選

天    激動の世を生き抜きし句友逝く  (善三郎)<詠みこみ 生>
(標目  しみじみ感ず明日の日知れず)
 追吟  句友逝く面影何時も笑顔のみ

地    生きるとは信じる耐える感謝する  (篤子)<詠みこみ 生>
(標目  たった三つが中々出来ぬ)

人    是非もない 妻の一言鶴以上  (清)
(標目  ごもっともです頭上がらず)

二    心汲む 北に通じぬ人の情  (直樹)
三    心汲む その先読んだ知恵袋  (和憲)
四    辛い闘病優しい介護 種も仕掛けもない笑顔  (芳英)<送り句>
五    追伸に 父母を気遣う走り書き (泉水)
六    心汲む 配慮の手紙文字かすむ  (恒男)
七    波静か 嵐を越えた夫婦舟  (哲男)
八    波静か 瀬戸が夕陽を遊ばせる  (和憲)
九    波静か ナース走らす心電図  (和憲)
十    悔しくて 流した涙糧になる  (芳英)
# by kanku_yasutomi | 2008-10-30 03:00 |  安冨冠句会例会
小林善三郎 雅伯選

天    他界なお佳月冠句は世を照らす  (直樹)<折り句 タカヨ>
(標目  残す誉れは未来永劫)
 追吟  世を照らす冠句一筋命懸け

地    視野変えて 許す心を教えられ  (耕作)
(標目  思い直せば負い目半々)

人    悔しくて 自責の念を募らせる  (篤子)
(標目  思慮に欠けたが悔いに苦しむ)

二    病む母の生きる証の身だしなみ  (泉水)<読み込み 生>
三    心汲む 柄杓の中で顔が立つ  (和憲)
四    不釣り合い 心の計り目盛なし  (新一)
五    コンパクト はじらい色に染まるなり  (千賀子)
六    心汲む 名残り尽きぬも辞世の句   (美好)
七    追伸に 優しき母の顔のぞく  (直樹)
八    不釣り合い 愛の深さが決めること  (新一)
九    是非もない 因果の道理逆らえぬ  (和憲)
十    悔しくて 洗う茶碗の派手な音  (和憲)
# by kanku_yasutomi | 2008-10-30 02:00 |  安冨冠句会例会
山口泉水 宗匠選

天    大病の看護空しく余生終え  (春風)<折り句 タカヨ>
  (標目 悲しいけれどこれも天命)

 追吟  余生終え病名伏せた悔い残り

地    心汲む 諭す言葉に深さみる  (千翔)
  (標目 そのやさしさに誓う更生)

人    視野変えて 答えは一つだけでない   (健一郎)
  (標目 他人の意見これぞ名案)

二    視野変えて 付句あれこれ独り言  (戸楓)
三    追伸に 人柄しのぶ思いやり  (公三)
四    追伸に 心乱れた母の筆   (佳月)
五    不釣合い 福祉忘れた新庁舎  (政信)
六    不釣合い 矢張り私は地味でよい   (和憲)
七    独り言 妻と言い合う頃がよし  (豪人)
八    独り言 つぶやくように吐く不満   (春風)
九    是非もない 党首交代自民党   (奎夫)
十    是非もない 総理の椅子は軽いもの (公三)
# by kanku_yasutomi | 2008-10-30 01:00 |  安冨冠句会例会
紫水杯 多選之部

紫水杯  五選  
    
      新記録 うなぎのぼりの温度計  (哲男)

四選   声をかけ 近い他人の情を知る  (和憲)

      墓洗う 戦死の二字が目に滲みる  (佳月)

三選   縁ありて大きな愛の傘の下  (善三郎)<折り句 エオカ>
      声をかけ 奇蹟を祈る救助隊  (佳月)
      日焼けして 団塊の今農がある  (和憲)
      鵜飼い舟 綱を捌いて妙技見せ  (良春)
      声をかけ 人が仲良くなる秘訣  (豪人)
      流れ星 宇宙の神秘郷静か  (千翔)
      日焼けして 校庭はずむ新学期  (良春)
      西日差す旗が揺れますかき氷  (雅城)<読み込み 旗>
      取らぬ先から数えたメダル そうは問屋がおろさない  (純一)<送り句>
      旗の色良い方に付く関ヶ原  (佳月)
      相撲勝っても大麻に負けて 飛んで火に入る夏の虫  (雅城)<送り句>
      墓洗う 背中流した日を想う  (美好)
      癖になり 誓う禁酒も盗み酒  (哲男)
      鵜飼い舟 風流ながらやや哀れ  (孝代)
      鵜飼い舟 手さばき冴える長良川  (新一)

      以上 三選15章

多選 18章でした。
# by kanku_yasutomi | 2008-09-25 08:00 |  安冨冠句会例会
安原純一 雅伯選

天    流れ星 美しきまま去りし母  (直樹)
(標目  夢の中でわ今でも若し)
 追吟  去りし母背われてみたわいつの日か

地    応援旗負けるな我らここにあり  (奎夫)<読み込み 旗>
(標目  昔一茶で今はアルプス)

人    堂々と 胸張りましょう銅メダル  (雅城)
(標目  金と同じと漢字が示す)

二    声をかけ 奇跡を祈る救助隊  (佳月)
三    胸を借る 待って下さい倍返し  (公三)
四    新記録 だしてはならぬものもあり  (奎夫)
五    笑顔密つ老いて楽しい冠句会   (耕作)<折り句 エオカ>
六    鵜飼い舟 月も見てます風物詩  (春風)
七    墓洗う 声なき声に母が笑む  (和憲)
八    揚羽蝶一張羅です薄衣  (土筆)
九    日焼けして 少年は行く果てぬ道  (直樹)
十    墓洗う 戦死の二字が目に滲みる  (耕作)
# by kanku_yasutomi | 2008-09-25 07:00 |  安冨冠句会例会